Instructor / 教員紹介(専任教員)
ともに心理学の専門分野の追求を志す教員をご紹介します。
■研究キーワード:
記憶 / 言語 / 神経 / ニューラルネットワーク / 脳刺激 / 脳損傷
■研究分野:
心理学 / 脳神経科学 / 認知科学 / コンピューターシミュレーション
■メッセージ:
言葉を聞き、話し、意味を理解し、文字を読むなど、言語能力の様々な側面に興味があります。また、発達性読み書き障害の方々や、脳損傷患者さんの理解や言語リハビリを通じて、私達の言語能力を支える脳を理解することにも興味があります。最近では、ヒトの言語能力を模したAIを構築することを通じて、ヒトの言語能力を理解できないかと考えています。研究姿勢ですが、心理学は解釈が独り歩きすることがとても多い分野ですので、研究結果から確実なことが言えない段階で一般の方々をミスリードすることがないように、安易に社会発信しないことを大切にしています。また、授業においても、研究結果(事実)とその研究者の解釈(考察)をきちんと分けて伝え、たとえ教員・専門家が言っていることであっても鵜呑みにしないことを強調しています。心理学を学ぶことで、TV・ネット・本などで発信されている情報を批判的にみる力を養ってもらえると何よりです。
■研究キーワード:
社会的認知 / 社会的推論 / 対人認知 / 自己
■研究分野:
実験社会心理学
■メッセージ:
社会心理学の実験といっても、あまりピンとこないかもしれませんが、社会心理学の主要な知見の多くは実験研究によるものです。卒論では、身近な問題に焦点を当てた研究に取り組んでいます。例えば、オンライン面接でセルフ・ビューがあって自分の様子を確認できることは、面接での印象にポジティブな効果を持つのか、それとも逆効果なのか、商品を買うときに、実際に手を触れることができると購買意欲が高まるのか、などです。身近な疑問を実験で検証可能な形にして研究をするには、いろいろ乗り越えなくてはならないハードルがあります。苦労も多くありますが、その過程もまた楽しんで研究を進めることができたら最高です。近年VRに関心を持つようになり、仮想現実空間での経験が現実の自分に与える影響の検討に取り組み始めました。
■研究キーワード:
多感覚コミュニケーション / 顔 / 声 / 音楽 / 文化差
■研究分野:
認知心理学 / 音楽心理学 / 認知科学
■メッセージ:
認知心理学という分野は、学び始める前はイメージがわきにくいかもしれませんが、「みる・きく・わかる」を実験を通して探っていこうという分野です。日常のちょっとした疑問から長年考え続けてきた大問題(?)まで、実験を通して答えを探っていけるのが魅力だと思っています。3・4年のゼミでは「楽しくまじめに」をモットーに、卒論に向けてグループまたは個人で研究を進めていきます。プログラミングとも悪戦苦闘しつつ実験をやり遂げて、卒業論文をまとめるという作業はたしかにとても大変ですが、できる限りのサポートをしていきますので、やりたいことにチャレンジしていきましょう。興味と意欲があれば、国内外の大学・研究所・企業などと連携したプロジェクトに参加することもできます。ちなみに、音楽を聴いたり演奏したりするのが大好きで、最近は音楽ライブでの心のはたらきにも関心を持っています。
■研究キーワード:
青年期の発達 / 精神分析的心理療法 / 乳幼児観察 / 加害者性と被害者性 / 取り入れと同一化
■研究分野:
臨床心理学 / 青年心理学 / 非行犯罪心理学
■メッセージ:
臨床の領域は幅広く,自分の立ち位置が常に問われる実践の心理学です。私が長く携わった学生相談領域で共有されている言葉に,“学生期(学生生活サイクル)”があります。入学期,中間期(中だるみ期),卒業期なのですが,このまんなかの“中だるみ”は“あいまいさの中での深まり”とも言われていますが,たるんでアソビが生まれることがとても大事です。突っ張ったままでは感じられないことに出会い,そこから何か未知のことが始まっていくのでしょう。立ち止まって,皆さんと臨床心理学の話をしていくことを楽しみにしています。
■研究キーワード:
家族 / コミュニケーション
■研究分野:
家族心理学 / 家族療法 / 短期療法/ブリーフセラピー / 臨床心理学
■メッセージ:
家族をはじめとする密な関係への関心から、心理臨床に関わる会話データの収集・分析を通じて傾聴等のコミュニケーションの基礎的研究とその臨床的応用をすすめています。家族というまとまりをつなげているのは、きずなでもありしがらみでもあるかもしれません。こうしたアンビバレントなつながりのなかで、家族は可笑しみや苦しみを日々経験しながら、それでもなおまとまっていようとするのはなぜなのでしょうか?そもそも家族とはなんなのでしょうか?そんな家族の不思議を理解・応援しようとしています。家族の謎解きをぜひご一緒しましょう。
教授
平林 秀美 Hirabayashi Hidemi
■研究キーワード:
情動発達 / 社会性の発達 / 子ども
■研究分野:
発達心理学
■メッセージ:
子どもが他の人の感情を理解することや、自分の感情をコントロールすることについて、発達心理学の分野から研究しています。特に幼児期から児童期にかけての子どもの発達に興味があり、子どもが遊んだり課題に取り組む様子を観察しています。また、養育者や保育者の子どもへのかかわり方にも関心があります。3・4年生のゼミでは、発達心理学の研究論文を読み、観察の視点をグループで相談して決めた上で、実際の子どもの様子を幼稚園にて観察させていただいています。学生のみなさんには、子どもの様子を理解した上で、卒業研究の研究計画を立ててもらうようにしています。子ども自身や、子どもを取り巻く人々(友だち、養育者、保育者)とのかかわりについて、共に学び研究できることを楽しみにしています。
■研究キーワード:
発達障害 / ダイバシティ / いじめ / 虐待 / 災害トラウマ / ポストトラウマティックグロース・レジリエンス
■研究分野:
臨床心理学 / 学校臨床心理学 / 災害心理学 / LGBTQ・ニューロダイバシティの理解と支援
■メッセージ:
人の心はどのように傷つくのか、傷ついた心はどうなるのか、傷ついた心にできることはなんなのか。心が傷ついたら生きていないわけではありません。傷ついた経験から生きる力を得ることもできます。その過程で、「助けて」といえる個人の中の力をどのように支えるか、「助けて」といえる関係や環境をどのように創っていけるかということを研究していきたいと思っています。また、発達障害やLGBTQといった「ふつう」か「ふつうではない」かの二分法によって心が傷つけられてしまう人たちへの心理臨床的支援も行っています。出会えた皆さんと、自分にとって「当たり前」と思えることが決してすべての人にとっても「当たり前」とは限らないことについて、対話ができることを楽しみにしています。
准教授
正木 郁太郎 Ikutaro Masaki
■研究キーワード:
組織 / ダイバーシティ / 規範・文化
■研究分野:
社会心理学 / 産業・組織心理学 / 組織行動論
■メッセージ:
社会心理学の中でも、特に集団や組織で活動するときの心理・行動の仕組みや、どうすれば集団や組織を少しでもうまく運営できるのか、といったことを研究しています。3・4年生のゼミでは、学生のみなさんの関心に応じた「社会と関わる出来事」を中心に取り上げて、社会心理学の観点から「ある現象がなぜ起きるのか?」「そうした現象の背後にある心理や行動の仕組みとは?」といったことを、自分たちで調査と統計分析を行って明らかにすることに挑戦します。扱う対象は関心に応じて様々で、企業のこともあれば、身近な友人・対人関係のことをテーマにする学生もいます。私が様々な民間企業と連携して研究や活動をしていることもあり、「社会心理学の活用方法」について考える機会も多くあります。また、関心に応じてそうした研究プロジェクトの一部に関わる機会を設けることもあるので、それを通じて、実践をしながら学ぶこともできます。
教授
森田 慎一郎 Morita Shinichiro
■研究キーワード:
キャリア発達 / メンタルヘルス / 認知行動療法
■研究分野:
臨床心理学 / 産業・組織心理学
■メッセージ:
青年期や成人期に直面することの多いキャリア発達の課題とそれへの対応について研究しています。例えば、就職や転職の活動とそれ以外の活動のバランスをいかにとっていくか、今働いている職場で心理的に辛くなってしまった時にどうするか、といったことに関心があります。研究の際に参考にするのが、臨床心理学や産業・組織心理学の知見です。特に臨床心理学は、実践的な活動とも縁が深いので、研究だけでなくカウンセリングなどの経験も大事にしています。カウンセリングでは、認知行動療法的なアプローチを最も学んできました。最近では、マインドフルネスやセルフ・コンパッションなどを活用した支援にも興味が湧いています。ストレスが多く、先の見えにくい時代ですが、学生のみなさんには、自分なりの対処の仕方や、自分なりの生きる道を見つけていっていただければ嬉しいです。
特任准教授
山口 慶子 Keiko Kamaguchi
■研究キーワード:
感情調整 / 心の健康 / 心理アセスメント / 心理職の発達的変化
■研究分野:
臨床心理学 / 感情心理学 / 心理療法研究 / 質的心理学
■メッセージ:
心の健康に関わる問題の中でも、特に気分の落ち込みや不安に関する支援についての研究や実践を行っています。とくに、人がつらい気持ちに向き合うプロセスやそうした気持ちが緩和される仕組みにおいて、感情が果たす役割や機能に着目しています。また、心理職が専門家として変化成長していく過程にも関心をもち、個人的体験のもつ意味や経験、社会・文化的要因を、面接調査を用いて研究してきました。大学や研究機関と連携して行ってきているこれらの研究プロジェクトに参加する機会もあります。学生のみなさんには、自らの関心や問題意識に目を向け、心理学の研究手法を駆使して、研究の複雑さや醍醐味を体験しながら、研究を育てていっていただきたいと思います。臨床心理学の一分野の視点から、心の仕組みや変容を一緒に学び、考えていきましょう。