卒業、修了おめでとうございます
大学院の修了式は3月14日に、
そして、学部の心理学専攻の卒業式は3月18日にありました。
みんな、おめでとうございます。
そして、大学生活に伴走してくださったご家族の皆様、おめでとうございます。
みんな、すてきな着物やはかま姿。髪飾りもお似合いでした。
卒業生の多くが入学した2021年度は、コロナ禍の影響がつづき、授業がズームによる完全オンラインから、少しずつ教室とオンラインとのハイブリッドで行われたりしている時期でした。
音声入力を今頃知る(2月のブログ参照)私ですから、当時はとても大変でした。新しいツールにあたふた、そのツールを使うのにどたばた、そして当然、うまくは使いこなせず、落ち込んだり、イラついたりしていたのを記憶しています。
学生の皆さんも、私ほどではないとしても、環境の変化を前に、しかも、ちょっと弱音を吐けるクラスメイトが隣にいるわけでもない中で、心細く、心理的にも負担だったろうと思います。
あの試練を、私たちは経験してきたんです。自分たちをほめてしまいましょう。よくやったって。
不安でみじめで、二度と同じような思いはしたくないと感じますが、あのとき、教員同士で愚痴をこぼしたり、不安を共有したりして、ひとりではないと思えていたこと、少しずつ、ズームをはじめオンラインのツールを使って学生指導ができるようになったり、時間のないなかでもオンラインの研修だと受けられることがあったりしたことから、あれはあれで「いい体験」だったとようやく思えている自分がいます。
残念ながら、試練と思える体験がこの世からなくなるわけにはいかないのだろうと思いますが、試練から学べた、試練から気づけた、そんな風に振り返ることができたとき、試練は私たちを成長させてくれる「いい体験」へと変身するのです。特に、試練のなかにいてもひとりではないという気づきは、試練を「いい体験」に変身させるうえでの確かな土台だったように思うのです。
社会にでてから、試練を体験することがあったら、立ち止まって、ちょっと腰を下ろして、そこから何を学べたか、何を感じられたかをふりかえって大切にしてください。何よりも、ひとりではないことに気づいてください。いえ、もしも、もしも、「自分はひとりぼっちだ」と感じていたならば、大学に足を向けてください。迷わず教員にメールを送ってください。電話をオフィスにしてみてください。
教員たちは、あなたがたがひとりぼっちではないことに気づくために存在しています。そして、試練を乗り越えてからの報告ではなく、試練の最中のあなたの話をきかせてほしいと思っています。私たち教員は、あなたたちから聞く「いい結果」以上に、試練を通して得た「いい経験」を喜んで聴きたいのです。
どうか、元気で自分らしくいてください。(ま)